心理カウンセリングへのアクセス [どこで編]

[どのように編]を書いてから、ずいぶんと時間が過ぎてしまいました(半年!)。今回は、心理カウンセリングを検討する場合にどこで受けられるのかについて、医療機関とカウンセリングルーム以外の施設を紹介します。

なお、すべての相談先を網羅するものではないこと、「最善」を提示するものではないことをご理解ください。

学校・会社

通っている/勤務している学校、 会社にカウンセラーが置かれている場合、無料で相談できます。

愛知県では公立中学校はすでにスクールカウンセラーが全校配置されており、本人だけでなく保護者も相談を申し込むことができます。また、多くの大学にも学生相談室が設けられています。今のところ、スクールカウンセラーの多くは臨床心理士が採用されています。

企業でも福利厚生の一環として、臨床心理士・公認心理師、産業カウンセラーやキャリアコンサルタントを専任のカウンセラーとして雇用している場合や外部のEAP(従業員支援プログラム)企業と契約している場合があります。

自分が所属する組織内でカウンセリングを受ける際、どこまで秘密が守られるのかが気になるかもしれません。原則として専門資格を持つカウンセラーには法や倫理綱領により守秘義務が課されますが、命にかかわる緊急事態を考慮すると完全な秘密もまたありえません。気がかりな場合には守秘の限界について確認しておけると良いでしょう。

自治体

各自治体では保健センターに相談窓口を設けています。お住まいの「市町村名(区名)+こころの健康相談」で検索してみましょう。保健師、精神保健福祉士のほか、精神科医の面談を受けられる自治体もあります。心理の専門家のカウンセリングが必要と判断された場合には医療機関や相談機関が紹介されます。

県または市町村には発達相談の相談窓口もあります。診断を受けている人だけでなく、「自分の困りごとは発達障害から来ているのではないか?」と心配される方、ご家族も相談できます。

自治体では健康の相談以外にも法律相談や消費生活相談の窓口もあります。広報(自分の住む市町村の知らないことがいろいろ載っていて面白いです)や公式サイトに目を通しておくといざというときに役立つかもしれません。

自治体での相談も無料です。

大学院の心理相談室

臨床心理士を養成する課程を備えた大学院では、専門家養成のための研修施設として外部からの相談を受け付ける相談室を備えています。

養成・研修の場という役割もあり、主に資格取得前の大学院生が指導教官の指導のもと相談活動にあたります(資格を持った相談員が担当することもあります)。

相談は有料ですが、料金は一般のカウンセリングルームに比べて安価(2000~3000円程度)です。

電話相談、LINE・チャット相談

厚生労働省のサイトにはさまざまな電話相談の窓口が紹介されています。またSNS相談事業としてNPOが行うLINEやチャットでの相談窓口もあります。

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<資料>
・発達障害情報・支援センター,http://www.rehab.go.jp/ddis/
・公益財団法人日本臨床心理士会資格認定協会 臨床心理士養成大学院認証事業,http://fjcbcp.or.jp/jigyounaiyou/jigyou-2/
・厚生労働省 電話相談,https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_tel.html
・厚生労働省 SNS相談,https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_sns.html
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