心理カウンセリングとは
心理カウンセリングとはカウンセラーとの対話を通してご自身の課題に取り組むことです。ここでの課題とは、対人関係、さまざまな病気の症状、日常での困りごと、生き方や生きづらさなどさまざまなものを指します。
カウンセリングを受けるにあたり、特別な用意は必要ありません。上手に話そうとする必要もありません。カウンセラーが話を聞きながらところどころで確認したり、質問したりして困りごとを整理していきます。
ご自身が何に悩んでいて、そのことについてどのような気持ちや葛藤を持っているか、そしてどうしていくことができるのかを話し合います。からみ合った糸をほぐしながら、これからのことを一緒に考えていきましょう。
心理カウンセリングに期待できること
① 困りごとの整理
ご自身が何にどのように困っているのか、本人だけでは把握しづらいものです。どのようなことがいつから起きているのか、それには誰が関わっているのか、ご自身がどうしたいと思っていて、しかしそうできない事情は何かなどを整理していくことで課題が見えやすくなります。困りごとを整理するだけで気持ちが楽になることもあります。
② 困りごとの改善
カウンセリングルームを訪れる方の動機はさまざまです。ここではいくつかを例に挙げておきます。
・「症状を改善したい」
精神科や心療内科に通院中の方で、薬物療法と併用して、あるいはその代替手段としてカウンセリングを通して症状の改善を目出す方もいます。認知行動療法はうつ病、強迫症、パニック症、社交不安症などさまざまな疾患に対して有効性が実証されている心理療法です。症状の悪循環を把握をして、改善するための具体的な方法を探っていきます。
その上で、当相談室のカウンセリングではただ症状をなくすための心理療法ではなく、「そしてどう生きていきたいのか」を大切にしています。
・ 「性格を変えたい、考え方を変えたい」
ささいな出来事でも悪い方向に物事を捉える癖で落ち込んでしまう人や、悪い可能性ばかりが思い浮かんでどんどん不安になってしまう人もいます。そうした毎日はとてもつらいものです。
性格や考え方を変えたいと願う人にカウンセリングで行うことは、無理なポジティブ・シンキングの押しつけではありません。ご自身の性格や考え方がどのようにして成り立ちとその役割を理解した上で、新しい可能性を広げるための思考や行動を検討していきます。
また、ご自身の性格や考え方ではなく周囲の環境の側に課題がある場合もあるでしょう。そのような可能性も含めて整理を行うことが重要です。
・ 「習慣を変えたい」
飲酒やギャンブル、自傷行為など、長期的に見て心身にダメージを与えることが自分でわかっていてもなかなかやめるのがむずかしい習慣を変えるためにカウンセリングを利用する方法もあります。やめたいと決意してから通われる方ばかりではなく、実際にはやめたい気持ちと続けたい気持ちの両方がある方や自分はやめたくないが周囲からやめることを求められている方もいます。
あるいは何かの目標に向けた勉強や運動など続けたいはずのことがうまく継続できずに悩むこともあるかもしれません。
どちらの場合も、ある習慣が続く、または続かないにはそれなりの理由があり、それは『怠け者だから」とか「やる気がないから」ではありません。認知行動療法では行動の仕組みを理解することでご自身の習慣とうまく付き合う方法を一緒に検討していきます。
その他、当相談室で対応している相談内容についてはこちらをご覧ください。
③ 自分のことをじっくり考えられる
自分自身についてまとまった時間をとって考え、話すことは日常ではあまりない体験ではないでしょうか。日常生活では考えなくてはいけないことや気を遣わなくてはいけないことがあまりに多いからです。
また、誰かに相談しようとしても一方的に結論を出されてしまったり、いつのまにか相手の話にすり替えられてしまう経験も珍しくないと思います。それは相手に悪意があってというよりも、実は人の話を聞くことは容易なことではないからです。
心理カウンセリングでは行えないこと
① 医療行為
医師のみに認められた医療行為を行うことはできません。例えば、医学的診断および診断書の発行や薬物療法は行えません。それらが必要だと判断した場合には医療機関の受診を勧めることになります。
② 健康保険の適用や医療証による料金の免除
同じく、カウンセリングルームは医療機関ではないことから、費用は全額が自費負担となります。
心理カウンセリングの流れ
カウンセリングの流れの一例を紹介します。
- 01|困りごとについて、しっかりと話を聞きます。ほとんどの人は自分の悩みを話すということに慣れていません。最初からスラスラときれいにまとめて話せる人の方が珍しいです。思いつくことから話してかまいません。心理士はところどころで確認・質問することで、相談者が何に、いつから、どのようにお困りなのかを整理します。
- 02|悪循環が生じている要因を分析して検討します。心理士は心理学の観点から見解や仮説を提示し、相談者は「自分自身の専門家」として率直な意見を述べることで、共通の理解、長期的な目標とさしあたりの短期的な目標を構築していきます。
- 03|短期的な目標に向けて、具体的な手続きを考え、実行していきます。うまくいけばその方法を継続し、そうでなければ修正する仮説検証です。認知行動療法では、話し合いの上で次回の面接までのホームワークを設定することが多くあります。
- 04|長期的な目標も大きくは変わりません。話し合い、課題を設定し、実行します。この段階まで来ると、「前は○○だったけど、今は……」と変化を実感することもあります。「毎回心理士と話し合わなくても、これからは自分でやっていけそう」という感覚が生じてくるかもしれません。
- 05|これまでを振り返り、今後の注意点などをお伝えして、面接を終結します。期間を長めに空けたり、短い枠で予約をとったりして、なだらかに終了に向かうことが多いです。
- 06|日常の一部としてカウンセリングを継続される方もいます。
- a|当カウンセリングルームでの対応よりも優先すべきことがあると判断した場合は他機関を紹介します。
- b|継続中であっても、原則として終結のタイミングは相談者の自由です。心理士から継続を強制することはありませんが、終結を検討する際には少し前にお知らせいただくと予定を立てやすくなります。また、心身の状態によってはでは医療機関の受診を勧めることがあります。
Q&A
- 早く到着した場合はどうなりますか?
- ご予約いただいた時間からの開始となります。入室は10分前から可能です。
- 遅く到着した場合はどうなりますか?
- 到着した時間からご予約いただいた枠の終了時間までとなります。
- 予約時間の変更は可能ですか?
- 枠に空きがあれば可能です。予約時間の変更もキャンセル→予約の取り直しと同じ扱いとなります。前日以降はキャンセル料がかかりますのでご注意ください。50分枠から25分枠への変更をご希望の場合も同様です。
- クレジットカードは使えますか?
- お支払いは現金のみに対応しています。
- 領収書はもらえますか?
- 可能です。ご希望の場合は当日お伝えください。
- 飲食物の持ち込みは可能ですか?
- 飲み物はお持ち頂いて構いません。アルコール、お食事、喫煙はご遠慮ください。ごみはお持ち帰りをお願いいたします。