(今頃)2020年を振り返って

2020年の振り返り

 2021年も5分の1を経過したタイミングで今更も今更ではありますが、ふいに思い立ったので2020年の当相談室について振り返ってみようと思います。

 名東カウンセリングルームを開設したのは19年の後半でした。当相談室は会社の一部門や特定の医療機関の別室ではないため、今後連携先になるかもしれない近隣の医療機関や施設への挨拶回りをしているさなか、新型コロナウイルス感染症のニュースが盛んに報じられるようになりました。当然ながら予想もできない事態に一時は遠い目になりかけたものの、そうなってしまったものはしょうがない、やれることを続けようと切り替えて今に至ります。人生にも世の中にもいろんなことが起きるものだとつくづく思います。

 近隣への周知は中途半端に終わってしまい、そのまま再開の目処が立ちません。それでも医療機関からカウンセリングを任せていただける数は徐々に増加してきました。ありがたいことです。

 カウンセリング以外では11月には講演の機会を頂きました。通常カウンセリングではすでに不調を生じた方と回復・再発防止を目的としてお会いすることが多いののに対して、講演では一般的なメンタルヘルスの知識と不調の予防について話させて頂きました。1時間を超えて話をする場合にはワークを取り入れるなどしてメリハリを付けるのが常套です。感染症対策を行ったうことで、それがむずかしくなるところにも現在の社会状況の影響を実感しました。

 あっという間に5分の1を過ぎた2021年も、目先の利益に振り回されず丁寧な仕事を続けられればと思います。

 次にどのような方が当相談室をご利用いただいたかを振り返ります(個別の相談内容にはふれません)。

通院状況について

 来室される相談者の方は、すでに医療機関に通われている方が7割程度でした。医師からの紹介でいらっしゃる方もいれば、自分でカウンセリング先を探して来て頂いた方もいます。先にカウンセリングにいらした方でも医療機関に通った方が良いと判断した場合には通院を勧めているものの、今のところその数はあまり多くありません。通院に心配を持つ方への適切な情報提供も地域のカウンセリングルームの役割の一つと考えるとまだまだ不十分と言えそうです。

相談内容について

 通院中の方は主にその疾患の治療と再発防止を目的に来室されるわけですが、とりわけ強迫症(強迫性障害)の改善、うつ病の再発防止を希望される方が多かったのが印象的です。医療機関での診療では対応しにくい部分なのかもしれません。通院されていない方の相談内容には特定の傾向は認められませんでした。

相談者の年齢・性別について

 年齢では10代~60代まで幅広い世代の方にご利用いただいた一方、性別では女性の方が8割以上とかなりの偏りがありました。男性に対してカウンセリングという選択肢が周知されていないのか、相談することへの抵抗が強い傾向にあるのか、いずれにせよここにも課題がありそうです。

予想外だったこと

 最後におまけ的に予想外だったことを。当初、カウンセリングの申し込みと問い合わせでは後者の方が多くなるものと予想していました。安いものではありませんから、問い合わせて吟味してからという方が多いのではないかと。ところが実際には問い合わせなしにお申し込みいただくことの方が多かったのです。
 どうしてそうなるのかはっきりとはわかりませんが、問い合わせ後に「今回は見送ります」と伝えることの精神的な負担も大きいのかもしれません(もしくは私の文章があまり愛想の良い雰囲気ではないからかもしれません)。当相談室だけの傾向なのか、他所も同様なのか気になるところです。